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心温まるストーリー★介護の現場から~介護すること、されること~★

安心して退院を迎えるために

2024-04-15
安心して退院を迎えるために
吹田市民病院での勉強会の様子
 
 2月末、吹田市民病院の職員(理学療法士、作業療法士、看護師、患者支援センター相談員)に向けて、ご退院時の支援として、ご自宅で利用できる介護保険サービスについての勉強会を開催させて頂きました。

病院を退院される際、福祉用具を利用したり、手すりを取り付けるなど、ご自宅の住環境整備が必要な場合が多くあります。退院してから準備するとなると、設置や工事に時間がかかり、ご自宅での生活にすぐに対応できない場合があります。退院前にお身体の状況などを共有することで、その人に合った福祉用具の選定や住環境整備の調整ができるようになり、在宅生活を想定した福祉用具を退院前に試していただくこともできます。

医療と在宅サービス事業所が連携をとることで、ご本人も安心して在宅復帰に臨めることをお話ししました。
例えば・・・実際の退院時の連携のケースをご紹介いたします。

65歳の女性Aさんは、膠原病の持病をお持ちで、起立性低血圧もあり、昨年末に室内でふらつき転倒され、左大腿骨骨折により入院されます。3月末の退院に向て、妹様が地域包括支援センターに相談され、福祉用具専門相談員に連絡が入りました。

 退院に向けて、まずは自宅の環境を確認する必要がある為、2月末、妹様とご自宅に訪問させていただきました。ご本人の状態を妹様から聞かせて頂き、玄関上がり框の30cmの段差やベランダ出入りの段差、トイレ、浴室や居室内移動用の手すり、室内用歩行器、外出用歩行器など様々な用具の必要性が考えられました。
 具体的に退院日が決まった3月中旬、今度はご本人と入院先の病院の理学療法士、退院後から担当されるケアマネジャーとご自宅で再度家屋評価を行いました。前回一度ご自宅を拝見していたので、最低限必要と思われる福祉用具を持参し、実際にご自宅で福祉用具を設置して、退院後の生活を実践していただくことができました。理学療法士の方に同席いただき、自宅内の動作を確認し、トイレの手すりは不要となり、室内の移動も病院で使用している同タイプの歩行器で安全に移動できることが確認できました。退院直後から必要となる、玄関の踏台付き手すりや室内用歩行器はその日のうちに納品させていただき、屋外用の歩行器は病院に持ち帰り、退院まで病院で練習することとなりました。退院日にはベランダ出入口に踏台付き手すりを設置し、家事を含む日常生活全ての動線において、お一人の生活が安全に自立して行えるようになりました。
 入院前は近くの保育園に通うお孫様の送迎に行かれたり、一緒に夕食を共にされたりと、ご家族のサポートをされていたAさん。退院後間もない為、送迎はまだ難しいですが、簡単な食事をつくり、週に何日かはお孫様と一緒に夕食を共にされているようで、賑やかな食卓の風景が目に浮かびます。退院後もふらつきはあるようですが、室内用の歩行器があることで、安心して自宅内の移動ができるようになりました。リハビリにも意欲的に取り組まれ、お孫様の保育園送迎など、元の生活に戻られる日を目標に筋力アップに励まれています。

今後も病院や多職種の方と連携し、在宅復帰をされる利用者様が住み慣れたご自宅で、自分のやりたいことを続け、安心して暮らしていけるように、福祉用具や住環境整備を通してサポートしていきたいと思います。


                                                  株式会社ウィズ吹田     梶野 純
                                                  株式会社ウィズショールーム 記虎邦之 

室内用歩行器
ベランダ手すり
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