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心温まるストーリー★介護の現場から~介護すること、されること~★

乗り移りしやすい車いす

2023-10-02
乗り移りしやすい車いす
 90歳のEさんはパソコンが趣味で、ネットショッピングや動画鑑賞、音楽を聴くのが好きな方です。
私がEさんに出会ったのは令和5年5月で、当時は奥様、息子様夫婦と4人暮らしをされていました。

 Eさんが68歳の頃、脳出血を発症し、その影響で左半身に麻痺が残りました。
屋内の移動は車いすを使用してご自身で行っており、ベッドや椅子から車いすへの移乗(乗り移り)も可能でしたが、令和5年1月に、椅子から転倒してしまい、寝たきりの状態になってしまいました。
 ベッドから車いすに移ることが一人ではできなくなり、ちょっとした移動や趣味のパソコンをしに自室へ行こうにも、誰かにベッドから車いすに移る動作を手伝ってもらわないといけないのが煩わしく感じておられました。家族様も意欲の低下につながらないか心配されていました。なんとか自分の力で車いすに移ることはできないかとEさんから相談を受けて、ラクーネという車いすのレンタルを提案させて頂きました。
 ラクーネは車いすの肘おきの部分を持ち上げるだけで車輪が後方に移動し、サイドガードを横に倒すと、ベッド・車いす間の橋渡しになる特殊な車いすで、一旦立ち上がる動作をしなくても、座ったままお尻を滑らせて横移動で乗り移ることができ、移乗動作の負担を軽減できるのが特徴です。

 しかし、ラクーネ導入当初は身体が思うように動かせず、一人で移乗することができない為、結局家族様の補助が必要な状態でした。自分一人で移乗することを目標に、毎日ラクーネを使ってベッドから車いすへの移乗練習をし、麻痺のない右半身の使い方や動かし方を工夫するなどの努力によって徐々にコツをつかみ、驚くことに一週間ほどの練習で、一人で移乗することができるようになりました。
 Eさんは、「家族に迷惑をかけることなく、自分の部屋へ趣味のパソコンをしに行けるようになって嬉しい。麻痺側だけでなく、右半身の運動にもなる。」と大変気に入っていただけました。車いすに一人で乗り移れるようになって、Eさんは以前より意欲的に行動されるようになり、趣味のパソコンを触る頻度も増えました。ベッド上で過ごす時間も減り、家族様にも「介護の負担が減って助かりました」と感謝のお言葉をいただきました。

 令和5年7月に介護施設へ入所されることになり、在宅サービスであるラクーネのレンタルも終了となりました。しかし、入所先の施設でも自立した生活を続けたいという思いから、ラクーネを購入して使っていただいており、今では在宅の頃よりも短い時間で移乗ができるようになったとのことです。自分で出来ることは自分でやり続けることを目標に日々過ごされています。
 福祉用具を使うことで出来なかったことが出来るようになった、介護の負担が減ったと感謝していただくことが、福祉用具専門相談員としてなによりのやりがいです。これからもご利用者一人一人に合った適切な対応に努めていきたいと思います。


株式会社ウィズ 東住吉営業所 福祉用具専門相談員 嶋田 流我

 【ラクーネ2】の動画はこちら⇨株式会社ミキ 公式YOUTUBE https://youtu.be/r5HqR-a-FBs?si=lPlwOlfDN72hEjGx
          横乗り車いす【ラクーネ2】 メーカー:株式会社ミキ
               アームレストが移乗ボードに変身します
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