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心温まるストーリー★介護の現場から~介護すること、されること~★

移動のためだけじゃない移動用リフト

2022-10-01
出かけたいという思いを大切に
Iさん、Iさんのお母様とのお付き合いは、ヘルパー様より「ご自宅に訪問して車いすの修理出来るかな?」
というご相談を頂いたのが始まりでした。

Iさんは30代男性で、ご家族と3人暮らしでした。先天性代謝疾患の難病で障がい者手帳をお持ちで、自力での移動は困難な為、車いす介助で移動、車いすに移るのはご家族、ヘルパー様の全介助で行っておられました。お会いした時、しっかりとした体格をされているIさんに対し、お母様は小柄で華奢であるため、お母様の介助動作の負担は大きいだろうと感じました。

 その後、福祉用具について色々なご質問やご相談をいただく中で、お母様より、天井走行式リフトの設置についてご相談がありました。介助負担の軽減、そしてIさんが少しでも快適に生活できるようにというお母様の思いをお聞きし、実現に向けて、メーカー様と検討させていただいたのですが、課題は多く、マンションにお住まいで構造躯体には一切触れることはできない為、天井に設置するリフト案は諦めざるを得ないこととなりました。(※躯体とは建物を支える基礎や柱や梁等の総称)
 

ンンン             ※1 床走行式リフト イメージ
しかし、
「家中は無理でも、ベッドと車いすで過ごすだけでなく、
  フロアでゴロゴロする時間も作りたい。」

こんな思いを実現すべく、まず、床面を自由に動かして移乗又は移動させることができる、キャスター付の床走行型のリフト(※1)を試したところ、
フロアへ降りることが出来ました。


でも、やはり床からの吊り上げに四苦八苦してしまいました。また、居室間の敷居移動が、わずかの段差でもとても操作し辛く、快適とは言い難い結果となりました。

                  ※門型リフト イメージ
次に、門型リフト(※2)を試してみたところ、
床からの昇降もスムーズで車いすへの乗り移りも問題なく行えました。

ただ、車いすから隣の部屋にあるベッドへの乗り移りが、リフトでは出来ませんでした。
他に何か良いリフトはないかとお母様やIさんと試行錯誤しながら、
空間を自由に動けるやぐら型リフトなら上手くいくのでは、と

『アーチパートナー隅っ子』(※3)というやぐら型リフトをご提案させていただきました。

やぐら型リフトであれば床でゴロゴロ、車いすへもベッドへも乗り移れる!
ということでお母様、Iさんの思いが実現できるリフトの導入となりました。

         まるでモデルルームのように 快適な空間になったご自宅
設置に関しては5m越えのレールは階段を通れなかった為、
マンション管理人様にもご協力頂き、職人さんにもご苦労をかけながらロープ吊りにて
ベランダから搬入させていただき、なんとか無事に完了しました。

 ご家族と一緒にいろいろと悩みながらも、周囲の方々のご協力もいただき、
試行錯誤を積み重ね、障がいの制度も利用して、お母様の息子様への思いが実現しました。

現在は、リフト導入により、お母様の介護負担は軽減され、ご家族でリラックスしくつろげる時間もでき、楽しい時間を過ごされているようです。

 Iさんの成長や家族生活の変化に伴い、ご家族みんなで支えあい、助け合い、
今後もIさんの望む生活が継続できるよう、引き続きご支援させていただきたいと思います。


株式会社ウィズ 大阪西営業所 福祉用具専門相談員 松田直之


            ※3 アーチパートナー隅っこ イメージ
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